彼はあの人の前にも現れてたんだ。

今日、あの場所で見たのは…

やっぱり錯覚じゃなかった。

もう少しで殺されるとこだったんだ。

ふたりとも、狙われていた。

当然といえば、当然なこと

…か。

わたしが驚く様子もないのを見て、

「…もしかして、きみも?」

と、あの人が言う。

「うん」

「このままじゃふたりとも危険だよ」

わたしは頭を振る。

「ううん、もう大丈夫っ」

わたしは今日のことを全て話した。