あの場所に到着すると…

そこには先客がいた。

あの人だ。

わたしは見えないように隠れて、
その姿を見てた。

彼はたくさん置かれた花束の前に
しゃがんで、手を合わせている。

悲しそうな横顔。

あの人も、やっぱり悲しいんだ。

ごめん…
わたしあなたを誤解してたかも。

やっぱり、彼の親友だったんだね。

あの人は立ち上がると、
信号のほうに歩いていく。

あれ?

信号まだ赤だよ?

車が来てる…

危ないっ!

わたしは、目を閉じた。