マアサ「こんなこと―――」





マアサN「立ち止まった距離を一歩進んで両手を伸ばす。




リンゴ飴が落ちると、私は彼にキスをした」





マアサ「するなんて―――」





マアサN「彼は驚いていた。それは私も同じで、何でそんなことをしたのかわからなかった」





マサノリ「マアサちゃん、オレ………」





マアサ「知ってる。マアヤのことが好きなんでしょ?」





マサノリ「だったら何で………?」





マアサ「それでも私は―――」





オサム「マアサ!」





マアサN「突然呼ばれてマサノリは私から離れた」





マアサ「………オサム」





オサム「何やってんだよ。迷ったのかと思って探したんだぞ」





マアサN「誰かのために一生懸命なオサム」





マアサ「………迷子じゃ、ないよ」





マアサN「それはまるで―――」





マアサ「オサムって、メロスみたいだね」





マアサN「友情にあふれて熱い思いで」





オサム「何言ってんだよ。わけわかんねえ」





マアサ「生きてるって感じがする。………うらやましいな」





マアサN「私は二人をおいて歩き出した。私の中に私じゃない私がいるんだ
と思いながら」