どう説明しようか考えていると、聞きなれた声が背後からした。
「兄ちゃんっ!何してるのっ!?」
「神無!待ってろ、ストーカーを今兄ちゃんが…はうあっ!!」
裕也は全て言い切る前に、神無の見事な回し蹴りで吹っ飛んだ。
「龍真、怪我はないっ?」
「あ、ああ……(むしろお兄さんは大丈夫なんだろうか)」
「はぁぁ、良かったよぉぉ……」
神無は安心したのか、にへらと笑った。
「神無……」
その顔を見て、思わずこちらも頬が緩みそうになる。
しかし、吹っ飛んだ裕也がうう、と呻く声が聞こえて、このままではいけないと気づいた。
「神無、話がある」
「えっ」
「この場合、どうするのが正しい?」
「あ……逃げよう!!」