あるいつもと変わらぬ夜。

ある程度仕事を終わらした俺は外に出ることにした。

ここ最近仕事で少し京を離れたりと、一人で静かに散歩をするのは久しぶりだ。

見ないうちに桜が綺麗に咲いている。

桜の木を見ていると、ふと女の声がした。

透き通るような美しい声。

…何か言っている…?

歌でも無い……

『…………新撰組………』

確かにその場面だけしっかり聞こえた。

チッ……間者か……

女だからって容赦はしない。

けど……

その一面で少し残念な気持ちもあった。

…この俺が…