日も暮れはじめ、辺りが綺麗なオレンジ色に染まり始めた頃、

私は夕餉の仕度を済ませ、縁側で寝転んでいた。

何もすることがなく暇なのである。

昨日散々寝たので眠くもない。

「…あっ!!そーだ♪」

父様の部屋に遊びに行こう♪

私は父様の部屋に向かった。

「父様ー!!」

バサッーと勢い良く襖を開けると胡蝶蘭の良い香りがした。

けれど父様の姿が無い。

「母様を迎えにでも行ったのかなぁ…まっいっか」

私は父様の部屋を見てまわった。

「相変わらず綺麗なお部屋ー…」

私は綺麗に揃えられている本棚に目をやった。

「…ん?なんだこりゃ」

私は目の前にある本を取り出した。