それにしても、こう秘密が多いと怪しさ、MAXだな。

さて、どうしようか……。


「あの、世多警部」

「何だ?」


突然、夏目が小声で囁いてきた。


「なんか、さっきからあの銀行の前に、黒塗りの車が止まっているんですが、少しおかしくありませんか?」

「何?」


そう言われて見れば、確かにおかしい。

と言うか、怪しい。