「これから、11月24日に起きた、連続通り魔事件の裁判を始めます」


裁判長の一言で裁判が始まった。


「おい、大丈夫か?」


右隣に座る上司の世多警部が、私を心配そうに見ていた。


「だ、大丈夫です……」


そう答えるが、握り閉めている手には、冷や汗をかいていた。