――――――

カーテンの隙間から差し込む光と
ちょっとした違和感で目が覚めた。


見慣れない天井と
背中に感じる
いつもと違うスブリング加減。


ああ、そっか、
ってすぐに自分がいる場所を認識して

まだ半分寝ぼけながらも
ぐるりと視線を回し
寝室の壁にかかった時計を確認――


――と、しくじった。
もう12時過ぎてるとか完璧遅刻じゃん。


出席日数ヤベーのにって
顔をしかめつつ天を仰いで

でもすぐにまぁいいかと
また寝る体制に戻り
右腕に絡まる“それ”を
背後から抱きしめるように身体を寄せる。


素肌を通して感じる温かな体温。

さっきの違和感の正体は
こうして俺の右手をしっかり握り締めて
まだ寝息をたててるアキの存在で。


目の前にある金色の髪に顔を埋めれば漂う
俺を掻き乱す甘い香り。

きめ細やかで柔らかい肌も
容赦なく俺を刺激してきて
彼女の白く細い首筋に唇を寄せた。


何度もそれを繰り返してたら
やがて「ん……」っと
吐息混じりの反応が返ってきたから


「オハヨウ、アキ。
よく眠れた?」

「ん、リョウ
今なんじ?」

「もう12時すぎ」

「え?嘘!はぁ。
あぁもういいや、今日はサボる」


さっきの俺のように一瞬顔をしかめて
また瞼を閉じるアキ。


俺の胸の中で小さく丸まる
その無防備な姿に
とてつもなくイタズラ心が刺激されて


「……ちょっと、リョウ」

「ん〜」

「ねぇ、どこ、触ってんのよ」


身をよじって抗議の声を上げるアキ。
でも俺はまだ半分眠ったふりをして。


「え?どこって“ドコ”?
はっきり教えてくれないとわかんねー」

「んっ、とリョウ
ちょっと……待ってよ」


その声に段々と甘い物が混ざってきて
あとはこっちのもんだと
明るい光の中で
アキの姿をジッと見つめた時

……え?


「――何だ、コレ」