――――――

バレンタイン当日は
突き抜けるような青空が
何処までも続いていくような快晴。

まさに○○日和って言葉が
ぴったりな感じ。


こんなにも強い覚悟を持って
この日を迎えた男子は
多分世界中で俺ぐらい。
……とか言うのは大袈裟だな。


超寝不足の頭を感じながらも
無駄におしっ!と気合いを入れて
学校に向かう。


抱えた鞄に入ってるのはチョコレート……
じゃなくて数枚のチケット。

――ケンに貰ったあの日のあれだ。


そう意気込んで
定時通り家を出たのはいいけれど
やっぱり時間をずらせばよかったと
たった数十分後に後悔する俺。


その理由はっていうと――