選ばれし者



-----梨鈴side-----

顔面ってやっぱりえげつなかったかな・・・??

でも、勝つためには手段を選ばない。
決めてあったことだから。
みんなを守るためならなんだってするって・・・。

パチパチという拍手がどこからか聞こえてきた。

蘭「いやぁ。素晴らしい腕前。それでこそ梨鈴さんですね。」

白々しい登場の仕方。
なにが目的かは大体分かっている。

梨「・・・そんなに、力が欲しいか・・・?」

空「梨鈴。感情的になるな。頭を冷やせ。」


つい、イライラして余分なことを口走ってしまった。

梨「はい・・・。」

蘭「ハハッ!いいですよ。答えて差し上げましょう。・・・とても欲しいですよ。あなたのその素敵な力。そして、素敵な力のもとの・・・あなたがね・・・。」

ゾゾゾゾゾとものすごい勢いで全身に鳥肌が立った。
なに・・・??
今の・・・。


不安と恐怖で手が震える。


目の前にいる石春蘭馬を必死に睨んでいると・・・。


フワっとあたたかい何かに手を包まれた。