選ばれし者



和也と海兄は一見、ほぼ互角に見えるようだが、
空兄と私は気づいている。

海兄が和也に合わせて動いていることに。

さっきの拳を避けるのも、海兄には目をつぶってでもできることだ。
きっとあえてよけなかったのは簡単に石春蘭馬達に
力を見せないようにするためだろう。

和「これで・・・終わりだッ!!!」

猛スピードの拳は・・・。

パシッというあっけない音とともに
海兄の手のひらに包まれている。

海「そう・・・これでおわりなんだよね?」

ふっと笑うと和也の拳を掴んだまま、
鳩尾に海兄の拳が入った。

和「う゛っ・・・。」

龍一と同じように地面に崩れていった。