選ばれし者




母「お兄ちゃん達は、いつもねぼすけねぇ。梨鈴、ちょっとおこしてきてくれる?ごめんね。」

梨「うん。気にしないで。」


優しくて美人な母。
パタパタと音をたて、
少し廊下を走ると、後ろから母に呼び止められた。

母「あ・・・。」

梨「?」

母「もうすぐ、梨鈴のお誕生日ね。なにか、したいことやほしいもの、考えておいてちょうだいね。」

ニッコリと母が微笑んだ。

梨「うん。」

覚えていてくれたんだ・・・。
ちょっと嬉しくて顔がにやける。


いつもより、ちょっと早く足を動かして、
兄たちの部屋へ行った。