選ばれし者




はい、ただいま倉庫です。

目の前には大量の人。
頭の色が色々ありすぎてチカチカする。

今は、椎が話している。

椎「・・・ってわけで、梨鈴自己紹介。」

梨「えっ!?」


いきなり話を振られてびっくりしていると、

椎「だいじょーぶだって。落ち着いてやってみ?」

微かに微笑んだ椎に不覚にもドキッとしてしまった。
握られた手には、暖かさを感じる。


スゥっと息を吸って話しだした。


梨「どうも!琥珀梨鈴です!えーと、なんか流れで『翼姫』になってしまいましたので、納得いかない方もいるかと思います。ですが、認めてもらえるように、精一杯努力いたしますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。」


深く一礼すると、



「「「「ぶふっっ」」」」

と、思いっきり吹かれた。

ギロリと睨むと、

海「おまっ、ほんっと馬鹿っ、ぶふっ」

梨「海兄、言葉をちゃんと喋って。」

空「まあまぁ、そんなに怒らないで。」

そういう空兄だって肩が震えてますけど??

椎「お前、なにそんなにかしこまってんの?ふふ・・・。」

梨「椎、笑い方キモいから。」


ふふってなんだよふふって。


椎「キモッ!?」

ショックだったのか、隅の方でブツブツといじけだした。


涼「梨鈴、ここにはいったところから、もう、みんな『仲間』なの。みとめてもらったからはいれているんだよ。そんな固くなんなくても大丈夫。ほら、前にいるみんなの目をみて?」


そういってもう一度、前にいるたくさんの人をみる。

耳を澄ましてみれば、

「そんなに硬くならなくてもいいのに・・・。」
「偉そうにしてなくて雰囲気いいなー!」
などと、声が聞こえてくる。
でも、なによりも嬉しかった一言は、


「梨鈴さんが翼姫でよかったな!」


という一言。
認めてくれる、必要としてくれる。


こんな幸せでいいのかとおもうくらいだった。