*記憶のカケラ*


そのまま授業は進んでいき、あっという間に1日が終わる。

帰りのHRもいつも通り先生は簡単に連絡を済ませ、

「当番はちゃんと掃除するよーに。じゃあ気をつけて帰れよ。終わりっ!」

なんていって去っていった。

「いつも通り綾ちゃん軽いよなぁ。」

と笑いながら周太がこちらに来た。
綾ちゃんというのは俺らの担任の藤谷 綾(ふじたに あや)のこと。
まだ若いけどさっぱりしていてみんなから好かれている。

「さすが綾ちゃんだよな。」

なんていって2人で笑っていると掃除から亜梨紗と葵が帰ってきた。
それから亜梨紗が教室のドアの方から俺を呼んだ。

「りょーうっ、帰ろ!いつも通り今日も付き合ってね。」

「はいはい。」

俺は荷物を簡単にまとめ、
葵と周太に2人で

「またね」「またな」

と軽く手を振ってから教室を出た。