【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「なんか美桜って、一人で抱えこんでる気がしてさ…」


…聖夜も気づいてたか。


「あぁ…俺もそう思った」


「なんか知らねぇの?」


美桜に初めて会ったときから、ずっと気になっていたこと。


それは…あいつの瞳。


どこか悲しそうで、光を失っているようだった。


俺と聖夜と同じ、過去になにかあり、苦しみを内に秘めた瞳…。


やっぱり…聖夜も気づいてたんだな…。


「…あぁ」


「理由、聞かねぇの?」


「聞いたところで無駄だ」


たぶん美桜は絶対に理由を話さない。