俺に抱き締められても、特に反応を示さない女。


大抵の女は、顔真っ赤にして照れたり、騒いだりするのに…。


まぁ、多少は照れてたけどな。


でも明らかに他の女とは違う。


「うまくいってるか?」


聖夜は少しイタズラっぽい表情をしていた。


「まあまあってとこか…」


あの日からは、廊下ですれ違っても目が合うし、前よりは心を開いてくれた気がする。


お互い無口だし、会話はしてねぇけど…。


「はぁ〜、うらやましい…」


聖夜は大袈裟にため息をついた。


「とりあえず、一人に絞ればいいだろ…」


うらやましいって…。