「だって、せっかく美桜といるところを…」


聖夜の声はいつになく弱気だった。


今日の聖夜、マジで珍しい…。


いつも強気で、やんちゃな奴なのに…。


「別にいいって」


「でも…」


「それに、行けって言ったの、美桜だし」


「え…?」


聖夜はキョトンと俺を見た。


「だから、美桜が『聖夜の所に行きなよ』って言ったわけ」


俺の言葉を理解した聖夜は、ハハハッと笑いながら言った。


「美桜、マジでいい奴じゃん」


「みたいだな…」


あいつと関わる前は、『氷の姫桜』って言うから、てっきり冷たい奴だと思っていたた。


『氷の』ってつくくらいだしな…。