違う…。明らかにいつもの軽いノリじゃない。


松本翔太の目は、いつになく真剣で、鋭かった。


怖い…。


女子の嫌がらせも怖かったけど、何より松本翔太が怖かった。


「…やめてッ!!」


逃げなきゃ…。


あたしは松本翔太の腕を振り払おうとした。


でも…。


「逃がすわけないじゃん」


背筋がゾッとするような声で囁かれ、ものすごい力で引き戻された。


掴まれた手首が痺れて痛い。


「痛ッ…!!」


思わず顔を歪め、抵抗をやめてしまう。


そのスキに松本翔太はあたしを引き寄せ、顔を近づけてきた。


「今日は逃がさねぇ…。俺のもんにしてやる」