【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

ため息混じりに答えると、あっけらかんとした返事が返ってきた。


『あっそ。ならいいわ。じゃ、仕事に戻るから』


こいつ、子供より仕事が優先かよ…。


まぁ、小さい頃からこれが普通だったんだけど…。


「はいはい…じゃあね…」


『あぁ、待ちなさい、美桜!!』


電話を切ろうとすると、いきなり大声で呼び止められた。


「…なに?」


『いい? 絶対にあたしとパパに迷惑かけるようなこと、するんじゃないわよ!!』


そう言えば…うちの母親は、父親にベタぼれなんだっけ…。