【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

でも、でないとまた文句言われるし…。


ためらいながらも、仕方なく通話ボタンを押す。


「もしもし…?」


『やっとでた…もう、時間の無駄でしょ!? こっちは忙しいんだから…』


相変わらず、イライラしたように早口で喋りだす、ハイトーンボイス。


今、一番聞きたくない声…。


「用事はなに…?」


うんざりしながらも、仕方なく話に付き合うことにした。


それなのに…。


『何って…一応親なんだから、子供が元気か、確認しなきゃでしょ…』


一応って…。


確かに親らしいことされたこと…ないけど…。


「元気だから…ご心配なく…」