【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

あたしは携帯をベットに投げ、階段を下りてキッチンに向かった。


何か食べて、お風呂入っちゃおう…。


何かしてないと、天翔のことばかり考えてしまう。


そして天翔のことを考えると、必ず訪れる風磨への罪悪感。


こんな自分が嫌だった。



「ふぅ…」


お風呂から上がり、部屋に戻って来ると、携帯のディスプレイには『優実』と表示されていた。


急いで電話をとると、優実の不思議そうなが聞こえてきた。


『美桜ぉー、どうしたのー?』


「ごめんね、優実」


『ううん、美桜から電話なんて珍しいからびっくりしちゃった』


優実は子供のようにクスクス笑った。