【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

惚けたフリをして、クスクスと笑いながら答えた。


「イヤじゃねぇんだな…」


「え…?」


ぽつりと天翔が呟いた。


「俺の言うこととか、拒否しねーじゃん。それに…」


そう言いかけて、天翔の手があたしの右耳に触れる。


それに少しドキッとしたあたし。


「俺のあげたピアスつけてくれてるし」


そう耳元で囁かれた。


どうしよう…あたし、今すごいドキドキしてる…。


なんで天翔なんかに…。


「それは別に…」