【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

天翔はそう言ってるものの、本心ではなさそう。


二人とも、お互いをちゃんと信頼してるんだな…。


「んじゃ、俺そろっと戻るわ」


聖夜が天翔に言うと、天翔はため息をつきながら聖夜に言った。


「ケガすんなよ」


「あんな奴らにケガさせられるほど、弱くねーよ」


そう言うと、聖夜は風のように去っていった。


ケガ? あんな奴ら?


何の話だろう…?


聖夜が去ってから、天翔とあたしの間に沈黙が流れる。


まぁ、お互い無口だから、辛くないんだけどっ。