預かってくれる親戚も、あたしのことなんて構ってもくれなかった。


だから中学生のときから一人暮らし。


まともに愛情を受けたことなんてない。


愛情を知らないあたしは、寂しさなんて知らなかった。


…風磨に会うまでは。


「ん…?」


鍵を出すため、ポケットに手をいれると、何かが手に触れた。


それを取り出して見ると、それは天翔からもらったシルバーのピアスだった。


あたしはそのピアスをしばらく見つめていた。


『お前のこと、守ってやる』


天翔の言葉が頭をよぎる。


いきなり言われてびっくりしたけど、嬉しかったかも…。