そう、あたしにとって風磨は何か特別な存在。


だから…風磨のこと、大好きだけど、あたしは風磨の彼女にはなれないんだ。


「あっ! ごめん、美桜。あたし塾いかなきゃ…」


優実が言ったので、時計を見ると、夕方の5時を回っていた。


「じゃあ、あたしも帰るね」


「うん! またね…♪」


いつも明るくて、笑顔の優実。


でも今日はなんか笑顔が曇ってる。


気のせいかな…?




家に着くと、あたしはポケットから鍵を取り出す。


あたしの両親はともに海外で働いていて、会うのは年に1度くらい。


小さい頃から親は仕事ばかり。