「そういえばさぁ…」


優実が突然話始めた。


「この前、駅で風磨くんみたよ」


風磨…その名前にチクリと胸が痛む。


「なんかね、可愛い女の子に告白されてたみたいだよ」


え…?


優実の言葉に胸がギュッと締め付けられた。


…バカみたい。


自分から振っておいて、他の子に取られるのはイヤなんて、わがまますぎる…。


「美桜?」


「優実…あたし、最低だ…」


「え?」


「風磨を取られたくないって思っちゃった…」


優実は少し考えてから、優しく微笑んだ。


「しょうがないよ、風磨くんは美桜のお兄ちゃん的存在だったんだし」