聖夜…。


そうだ。俺は孤独じゃない。


聖夜という大切なやつがいたはずだ。


あれ…? 俺の大切なやつって、それだけだっけ…?


そもそも、俺はなんでここにいるんだ?


確か…俺はあの日何か大切なものを守るために聖夜と…。


…ダメだ。何か忘れているはずなのに、全く思い出せない。


その時―…。


俺は自分が何かを握りしめていることに気づいた。


そっと手を開いて見ると、そこには…。


「桜…?」