「天翔ッ!!」


あたしが駆け寄ろうとした時、聖夜に殴られた男があたしのそばの壁にぶつかった。


その振動で立て掛けてあった鉄パイプが次々と倒れてきた。


「キャアッ…!!!」


「美桜!!」


目を瞑ったと同時に体が何かに包みこまれた。


あれ…? 痛くない…?


「くっ…」


え…? あま…と…?


目を開けると、天翔があたしに覆い被さっていた。


ズルズルと地面に倒れこむ天翔…。頭からは真っ赤な血が流れていた。