【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

俺は赤くなった美桜の手首にキスをした。


「ちょ、ちょっと…!」


美桜は、驚きと戸惑いに満ちた表情で俺を見つめる。


「…あいつには気をつけろよ?」


「…え?」


「松本翔太だよ…」


俺が名前を出すと、美桜の体がビクッと震える。


やっぱり怖かったんだな…。


「あいつ、何するかわかんねぇな…」


俺がポツリと呟くと、美桜は今にも泣きそうな表情だった。


俺は美桜から少し離れると、タバコに火をつけた。


美桜は起き上がり、そんな俺をじっと見つめる。