【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「でも、聖夜は聖夜。天翔は天翔だから」


「えっ?」


「天翔は今のままが一番。天翔が聖夜みたいだったら気持ち悪いし」


そう言ってクスクス笑う美桜。


最後はけなされたけど、ヤバい…嬉しいかも…。


「あたしも優実みたいにはなれないし」そう付け足す美桜も嬉しそうだった。


「見てみたいかも…」


「バーカ」


俺はこの時、こんな美桜との時間が崩れるなんて思っても見なかった。





次の日。


たまにはどこかに行こうと、俺と美桜は倉庫の前で待ち合わせをしていた。