【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「天翔…。でもちょっとくらい飲んだって…」


ちょっとくらい…?


ふざけるな。酒は人を狂わせる凶器だ。


そんなものを…飲む必要なんてない。


俺はガンッとテーブルを蹴飛ばした。


「ちょっととかそう言う問題じゃねぇ!! 酒っつうのは人を変えちまうんだよ!!」


もういつもの冷静でクールな俺は存在しなかった。


グシャッと缶チューハイを握り潰す。


優実はわけがわからず、俺の剣幕に驚き、怯えている。


「天翔!」