【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

ダブルデートも、悪くないかも。






「美桜…」


ひとしきり遊び終えると、あたしは天翔に呼ばれた。


連れてこられたのは人気の少ない所。


「どうしたの?」


「ごめんな、怖い思いさせて」


そう言って天翔はあたしの肩に顔を埋める。


「天翔のせいじゃない」


「いや、俺のせいだ」


そう言ってギュッと抱き締められた。


「あたしが一人でフラフラしたからだよ…」


「いいや、違う…」


そう言うと天翔は悲しそうな複雑な表情をした。