【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

俺はこの時、自分の気持ちに気づき始めていた。


たぶん俺は美桜のことを…―。




「おい、お前手首…」


「あぁ、これは…」


隣にいる美桜にふと目をやると、手首に赤い痕があった。


美桜は俯きながら、痕を隠そうとした。


「見せろよ」


俺は美桜の腕を掴んで、それを阻止する。


「やっ…大丈夫だから…!」


抵抗する美桜に少し怒りを覚えた俺は、美桜をソファに押し倒した。


「きゃっ…!! ちょっと…やめっ…」


「大人しく見せろよ」


俺の真剣な表情を見て、美桜は抵抗をやめる。