【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「チッ…」


男たちは天翔を見ると、すぐに姿を消した。


「一人でうろつくんじゃねぇよ」


天翔は目を吊り上げて、まだ怒っている。


「ごめんなさい…」


「心配させるな…」


そう言って天翔はあたしを抱き締めた。


「…うっ…」


安心したのと怖かったのといろいろな感情とで、涙が頬を伝う。


「天翔、大丈夫か?」


天翔の胸で泣いていると、聖夜と優実が駆け寄ってきた。


「あぁ…無事だ」


「今のって西陵の下っ端だろ?」


「たぶん…」