「何でもないよ」


「? それより美桜、早くいこぉ?」


「まだあたしが何も準備してないでしょ!」


「あ…ごめーん♪ 美桜、そんなイライラしないでよ〜」


イライラせずにいられるかっ!


これからダブルデートだってのに…。


あたしはハァとため息をつき、浴衣を着始めた。


優実は隣で鼻歌まで歌っている。


よっぽど楽しみなんだな…。


帯を締めて、髪を結えば完成。


「よし、完成」


あたしが立ち上がると、優実は惚れ惚れとあたしを眺めた。