【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「いいからやるよ。その代わり…」


そう言いながら、俺は美桜の隣に腰を下ろし、耳元で囁いた。


「俺のこと、天翔って呼べよ」


「んっ…」


くすぐったかったのか、美桜の口から声が漏れる。


「わかった?」


俺はもう一度囁いた。


すると、美桜は黙って頷き俯いた。


もしかして…照れてる?


こんなこいつ、初めて見た…。


初めて見る美桜を、不覚にも可愛いと思ってしまった。


やっぱ今日の俺、らしくねぇ…。