俺は美桜の髪をそっと撫でる。


「ん…? 天翔…?」


「悪ぃ…起こしたか?」


美桜は眠そうに目をこすると、俺の胸に顔を埋めた。


「まだ眠い…」


そう言ってギュウッと抱きついてきた。


昨日からやけに美桜は甘えただ。


何か…新鮮…。


「天翔、何にやけてんの?」


気がつくと、美桜は俺の胸の中から顔をあげていた。


「うるせぇ」


俺がそっぽを向くと、美桜は呆れたように「変なの…」と呟いた。