【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「雷……怖い…」


「へっ!?」


ピカッと空が光ると、また俺にギュッとしがみつく美桜。


雷が怖い…?


「怖いの?」


もう一度聞くと、コクリと美桜は頷いた。


「クスッ…」


「…笑わ…ないで」


「悪ぃ」


お前…雷怖いって…。笑わずにいられねぇよ。


でも…なんか可愛い…。


俺にしがみついてむくれている美桜。


なんかめちゃくちゃ愛しい。


「美桜、帰るぞ」


美桜の頭を撫でてそう言うと、美桜はしがみつく腕に力をこめる。