【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

雷まで鳴り始めやがった…。


美桜、早く来ねぇかな…。


そう思い、空が光った次の瞬間、脇腹のあたりに何かぶつかってきたような衝撃を受け、思わずよろける。


「痛ってぇ!!」


視線を落とすと、そこには震えた美桜がしがみついていた。


「美桜…? どうした?」


美桜が自分からしがみついてくるなんて珍しい。


嫌がらせされて逃げてくるわけもないし…。


俺が尋ねると、今にも消えそうな声で美桜は呟いた。