【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「早く乗れ」


バイクをあたしの前に停めると、天翔はあたしに命令した。


あたしは素直に天翔の後ろに乗る。


「掴まってろよ」


「うん。天翔、寒くない?」


「別に」


制服をあたしに貸して、Yシャツ一枚の天翔は雨に濡れて、絶対に寒いはず。


「自分の心配しろ」


それなのに、天翔はあたしの心配をしてくれる。


言葉は冷たいけれど、天翔のこの優しさが大好きなんだ…。


あたしは震える体を温めるように、天翔にギュッとしがみついた。