そう…、あたしが探し求めていた人物…。


背が高くて、細いけれどバランスよく筋肉のついた体。


赤に近い茶髪の髪に、耳には無数のピアス…。


間違いない…。


その人物が金髪の男を殴ろうと、拳を振り上げた瞬間、あたしはずっと探していた人物の名前を叫んだ。


「天翔っ!!」


あたしの声に、金髪の男を睨んでいた天翔が驚いたように振り返る。


鋭い奥ぶたえの瞳が見開かれる。


「…美…桜……?」


天翔の手から解放された金髪の男は、ズルズルと地面に崩れ落ちた。