【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

あたしはあの日、大切な風磨を失って『二度とこんな思いをしたくない』って強く思った。


大切な人を失うことが、どれだけ辛いのかも知った。


それに…。


孤独の辛さは誰よりも知っている。


だから、天翔の気持ちも痛いほどわかるんだ。


今までは風磨を傷つけたくないって、思っていたけれど…。


あたしが本当に失いたくないのは、風磨じゃない。


あたしのことを孤独から助けてくれるのは、風磨じゃない。