聖夜はギュッと唇を噛むあたしを見て、切なそうな表情で話を続けた。


「天翔が…一人で無茶にケンカしてる」


「えっ!?」


聖夜の言葉に、あたしは思わず顔をあげた。


「どうして…?」


「あいつ、最近おかしいんだ」


あたしが尋ねると、聖夜は顔をしかめながら話始めた。


「実はさ、あいつ、母親がいねぇんだよ…」


「えっ?」


「あいつが3歳のときに亡くなった」


だから…。


『俺も同じ』って言ったんだ…。