快い風が吹き、あたしの髪をなびかせる。


天翔……バイバイ…。


「…美桜!!」


ゆっくりと瞳を閉じると、後ろから聞き覚えのある声がした。


「聖夜…?」


振り返ると、かなり焦った様子の聖夜がいた。


珍しいな…。


いつもは風のように現れるのに…。


というか、聖夜はどうやってここに来るのだろう。


屋上に来るには、必ず校舎の中の階段を上らなくてはならない。


普通、他校の生徒が校舎にいたら、目立って仕方ないと思う。