「はぁ…」


天翔に桜を見に連れていってもらった日から、あたしはため息ばかりついている。


午前の授業を終え、生徒はみんなお昼休み。


教室はガヤガヤとうるさく、女子はキャピキャピとした雰囲気に包まれていた。


もともとそういう環境は苦手だし、こんな気分でそんなところにはいたくない。


だからあたしは、一人で屋上に来ていた。


「はぁ…」


お昼ごはんも食べる気にならず、フェンスから見える景色をただ眺める。