振り上げられた拳をヒョイッとかわし、次々と手当たり次第に殴る。


こんな大した理由もなく、ただ自分の感情だけでケンカをするなんて最低だ。


でも、今の俺にそんなことを考える余裕なんてない。


ただ、風磨という男への嫉妬や、今までのムシャクシャした気持ちを全てぶつけるように、相手を殴る。


「さすがだな…。この人数相手にここまでやるとは…」


金髪が息を切らしながら、顔をしかめる。


俺も肩で息をしながら金髪をギロリと睨む。