俺はタバコの火を消して、ベンチから立ち上がった。


こっちはそれどころじゃねぇんだよ…。


こんな奴らに構っている暇はない。


不良たちを無視して歩き出すと、リーダーらしき人物に腕を捕まれた。


金髪に染め上げた髪が、風になびく。


「無視することねぇだろ? それとも逃げんのか?」


ニヤリと勝ち誇ったような笑みで、俺を挑発してくる。


「松村天翔は、一人じゃなにもできねぇのか?」


そんな金髪のリーダー格を、無表情で冷たく見下ろす俺。