【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「聖夜…その傷…?」


俺が険しい面持ちで聖夜に聞くと、聖夜はちょっと顔を曇らせた。


「昨日帰ったときにさ、新しい父親が俺の姿見て軽蔑されてさ。あのババァとケンカになって、その時の傷だよ」


話終わる頃には、聖夜の表情はいつもと変わらぬ明るい表情に戻っていた。


それを見て、俺はさらに顔をしかめる。


小さい頃の記憶…よみがえらないのか…?


「そんな切なそうな顔すんなって!!」


そんな俺をよそに、聖夜はハハハッと笑った。