【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

聖夜から聞いた事実。


美桜は今までそんな複雑な想いを背負っていたのか…。


そう思うと、俺は何も言うことができなかった。


「……さて、俺ができることはここまでだ」


そんな俺を見て、聖夜は気を取り直したように口を開いた。


「あとは天翔次第だ」


ソファーにもたかかった聖夜の瞳は、ひどく真剣で、真っ直ぐ俺を捕らえていた。


「あぁ、わかってる」


俺も聖夜に答えるように、聖夜の瞳を見つめ返した。


それを見て、聖夜が満足そうに笑う。